Excelでは「検索」機能を使って、条件に一致するセルを探すことができます。たとえば、顧客データを入力したシートから特定の名前に関するデータを探したいときは、「検索」を使って瞬時に名前を含んだセルに移動することができます。同じ方法で、電話番号を入力すればその番号を含んだセルに移動するといったこともできます。
検索の方法は、「ホーム」タブから「検索と選択」カテゴリにある「検索」をクリックし、「検索と置換」ウインドウを呼び出します。次に、「検索する文字列」と書かれた枠に検索したい文字を入力し、「すべて検索」または「次を検索」を選ぶと、条件に一致するセルが表示されます。
置換の場合も同じウインドウにある「置換」タブをクリックし、検索する文字列と置換後の文字列をそれぞれ入力します。次に「すべて置換」または「置換」を選ぶと、検索された文字列が「置換後」に入力した文字列に変わります。
なお、「検索と置換」ウインドウは、ショートカットキーの「Ctrl」+「F」で呼び出すこともできます。とても便利なので、ぜひ覚えておきましょう。
検索機能の多くは、指定した条件に完全一致するもの、または部分一致するものだけを抽出します。 たとえば「ま」から始まる商品名を検索したい場合、検索条件に「ま」を入力すれば、「まんじゅう」や「まめ」など該当するデータを抽出してくれますが、「にくまん」や「とまと」など、途中に「ま」があるデータも部分一致とみなして抽出されてしまいます。そのため、商品名や顧客名の一部しか覚えていない場合は、通常の検索方法では本当に必要なデータを探し出すことが非常に面倒となってしまいます。
このような場合は「ワイルドカード」機能がとても便利です。これは、一部しかわからない文字列に加える記号のことで、記号が持つ条件に応じて、一部あいまいな文字や、特定の記号を含んだデータを抽出するというものです。ワイルドカードの使い方は文字の代わりに、ある記号を入力するというものです。これだけで、さまざまな条件を付けた検索ができるようになります。
Excelでのワイルドカード機能はフィルタ機能や関数にも入力することができますが、ここでは基本的な検索での使い方についてご紹介します。
まずはCtrl + Fで検索のウインドウを表示させましょう。
アスタリスク(*)はワイルドカードの中で最もお世話になる機能と言えます。使い方はとても簡単で、検索または置換する文字列の前か後ろにアスタリスク(*)を入れるだけです。アスタリスクを置く場所によって4種類の抽出が可能です。
半角疑問符(?)はアスタリスク(*)とほぼ同じ使い方ができますが、少し違いがあります。アスタリスク(*)は1つ置くだけで複数の文字列の代わりとなりますが、半角疑問符(?)は1つに対し1文字の代わりとして機能します。
たとえば201001(2010年1月)から201612(2016年12月)までの日付コードが並んでいるデータで、201?05と入力して検索すると、各年度の5月だけを抽出することができます。このように、規則性のあるコードの一部分だけを検索したい場合に有効なワイルドカードです。
商品名などあいまいな文字列を探したいときはアスタリスク(*)を、電話番号や金額など、規則性のあるデータを探したいときは半角疑問符(?)が便利です。
チルダ(~)は少し特殊なワイルドカードで、(*)や(?)を検索するときに使用します。データの中には「*」マークや「?」マークを使っている場合もありますが、検索条件を「*」で入力してしまうと、Excelはアスタリスク(*)のワイルドカードとして認識してしまいます。
そのため「*」をワイルドカードの機能ではなく、記号として検索できるように「*」の前に「~」を入力します。「?」についても同様で、「?」の前に「~」を入力することで、ワイルドカードではなく、単に?を含む文字列を検索させることができるようになります。
このように文字列の一部しかわからない、または一部だけを抽出したい場合、ワイルドカードはとても便利な機能です。上記を応用すれば、置換作業も便利になります。ぜひ、ワイルドカードの機能を覚えて、業務に活用してみてください。