あるセル内に関数を入れると、通常はセル内にその結果が返されるはずが、指定の方法に誤りがある、関数のスペル自体が間違えている、参照すべきデータが存在しないといった場合に返される文字列のことをエラー値と呼びます。
エラー値は、エラーの種類を示し、何らかの修正を促すものとなっています。ただし、エラーが不可避な場合には、修正ではなく、そもそもエラー値を表示させないという処理を選ぶこともあります。
Excelには以下のようなエラー値が存在します。それぞれ何を示していて、どう修正すればよいか解説していきます。
Excelで計算式に割り算を入れている場合によく見かけるエラー値です。このエラーは、セルの値がゼロや空白で割られていることが原因で、データが何も入力されていないセルが参照元になっていたりすることで発生します。
どうしてもゼロは発生するものの、関数自体を消すのは現実的ではないという場合も、そのままでは見栄えが悪くなってしまいます。
回避策としては、「=IFERROR(セル番地/セル番地,0)」と関数を入力すれば、値がゼロのときにエラー表示を回避してくれますので、エラー表示がされなくなります。
この表示は参照や抽出を行う「VLOOKUP」などの参照を行う関数を使う際に出るエラー表示です。検索する値が何も入力されていない場合や、検索範囲の中に一致するデータが見つからない場合に表示されます。
回避策としては、上記のIFERROR関数で「=IFERROR(VLOOKUP関数式,””)」と入力すれば、エラーが出た場合は""(何も表示させない)という命令になり、セルには何も表示されなくなります。
このエラー値は、関数の名前が間違っていたり、Excelで認識できない文字例が使われたりする際に表示されるエラーです。関数のスペルが間違っている(VLOOKUPをVROOKUPにするなど)場合が多いですが、セル範囲のコロンマークを忘れていたりすることでもよく発生します。
修正方法としては、関数のスペルが正しいかどうか、数式や範囲の指定(カッコやコロンの抜けなど)が正しく入力されているか確認しましょう。
このエラー値は、引数に指定されている数値が不適切であったり、数値が大きすぎ(小さすぎ)たりして、返す値がExcelで表示できない場合に表示されます。
IFERROR関数を使えば表示を消すこともできますが、数式(引数)が間違っているため根本的な解決にはなりません。処理を決める引数の値を正しい範囲の数値に直すことが先決です。
このエラー値は、指定したセル範囲が数式で正しくない範囲演算子を使っている場合に発生します。例えばセル範囲を表す「:」(コロン)が入っておらずスペースが入っていたり、複数のセル範囲を指定する場合の「,」カンマが入力されていないなどが原因です。
修正方法として、連続するセル範囲を参照する場合は「:」(コロン)で区切り、共通部分のない2つの領域を参照する場合は「,」(カンマ)を必ず入れるようにしてください。
これもよく見かけるエラー値のひとつです。数式内で無効なセルが参照されていると表示されるエラー値で、原因の多くは参照先が間違っていたり、参照先のセルを削除、あるいは移動させてしまったりすることにより発生します。
修正方法としては、参照先が正しいかどうか数式を見直すようにしてください。
このエラー値は、引数の種類が正しくない場合に発生します。多くは参照先のデータの種類が文字列になっていたり、不要なスペースが入力されているといった原因が挙げられます。このエラーもIFERROR関数を使えば表示を消すこともできますが、本来必要なデータが表示されなくなる可能性もあるため、データの見直しを行うようにしてください。
上記でご紹介したエラー値は、エクセルを使っていくとよく見かけるものばかりです。中には関数を入れてエラー値を消すこともできますが、式自体が間違っているものもあるので注意し、上記を参考にうまく対処してみてください。